世界の今が見える「World特派員リポート」です。今回はイランです。中東地域での新型コロナ感染拡大のまさに“震源地”では今、「第3波」が広がっているといいます。須賀川記者の報告です。
イランでは、感染拡大の歯止めが掛からなくなってしまっているというような状態です。イランの17日の新規感染者数は4103人となっていて、累計で53万人に上り、増加の一途をたどっています。3月の後半には第1波、5月には第2波、そして先月からは第3波を迎えています。
なぜ、拡大に歯止めがかからなかったのか。理由は2つ、取材して見えてきました。まずは、「住民の意識」です。当初は警戒していたが、感染が拡がるなか、徐々に警戒感が薄れていってしまった。テヘランの知人に聞いたところ、すでに6月の段階で、街行く人の多くがマスクをしないで出歩いていたと話していました。
そして、もう1つなのですが、「後手に回る政府の対応」が挙げられます。中国からの旅客便の停止や、都市間の移動を制限する、そうしたロックダウンの判断がかなり遅かったと批判されているわけです。さらに驚くのが、公共の場でのマスクの義務化。これが決まったのが10月なのです。なるべくして、「第3波」に見舞われたという状況です。
Q.これだけ政府の対応が遅いと、国民の間からも批判の声は上がりますよね?
住民たちの怒りはかなりのもので、実際に取材した人たちは、みんな、“政権を擁護する人は少数派”だと言い切っていました。
「イラン政府にデータ管理など、できるはずがないのです。だから第2波が来た、第3波が来たと発表しても信用できず、みんな笑っていました」(テヘランで雑貨店経営 カマルさん)
これだけ批判される理由というのは、やはり低迷する経済が挙げられます。もともと低迷もしていたんですが、新型コロナでガタガタになってしまいました。物価も高騰し、今、マスクの義務化をされたとしても、マスクを買うお金がない人もたくさんいるということです。
「バターの値段も先月から倍に。日々、刻一刻、むしろ数分単位で価格が上がっていて、一晩でとてつもない値段に上がってしまうんです」(自営業 メイサムさん)
さらに、政府への不信の結果、住人の間では、SNSで拡散される偽情報を正しいというふうに信じてしまう人も後を絶たないといいます。「インフォデミック」と呼ばれ、WHOも警鐘を鳴らしています。特に貧しい地域では情報を精査する、そういったことも難しいことから、「ウイルスに効く」との偽情報でメタノールを飲んでしまい800人以上が死亡する事故が起きたとの報告もあります。
新型コロナの感染拡大をきっかけに、イラン国民の間では政権への不信がかなり高まっていると感じます。( あさチャン! 2020年10月19日放送)
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コロナ“第3波”、イラン感染拡大のワケ【あさチャン!】

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